暗と影の味わいを学ぶ。名著「陰翳礼讃」に写真を取り合わせた本。
谷崎潤一郎氏の著作である「陰翳礼讃」。
この本は、一度読んだことがあったのですが、こちらは珍しい形で出版されていました。
最近は日本の文化について調べているからなのか、不思議なめぐり合わせってあるものですね。
予定のついでに出先で書店に入り、ふと目に止まった本がこちらでした。
初めて見たという方に内容をザクッとお伝えしておくと、この「陰翳礼讃」は、著者が考える日本の美意識について書かれた本です。
それも家に電気などがなかった時代が背景にあるので、昔の古き良き日本の文化に対する美的感覚について書かれています。
中でも家の外観や内観に関することがテーマに上がることが多いです。
特に面白いのが、暗いことや影について語られていること。
貿易が増えて西洋文化を積極的に取り入れ始めた時代。
そして電気の普及に伴って家の中は煌々と明るく照らせるようになりましたが、
逆に昔は暗い所がよかったよね。それが日本の家の特徴だよね。といった話がたくさん出てきます。
それがなんとこちらでは写真家が撮影した写真つきで見れるのです。
カメラマンの一人として、これは見逃せない!と足早にレジへ持っていきました。
ちょうど写真についても、自分の作品と、自分なりに向き合おうとしていたタイミングだったので、この本から良い学びが得られたらと思います。
最後に本からの引用になりますが、この本は文章と写真のいいとこ取り。
それを俳句の言葉でいい表すと「取り合わせ」という表現になるようです。
そんな言葉があるのも、また日本ならではのよさですね。
これからじっくり読み込んで、しっかり吸収しようと思います。