備忘録。視覚という枠を超えるために。
考え事をしていたらフツフツと考えが沸いてきました。
自分なりに大切なことだと強く感じたので、ここに書き残します。
写真でできることってなんだろう。
今回の考えが沸き起こり始めたのは、そんな疑問がきっかけでした。
少し前置きですが、カメラマンという仕事をする上で私が大切にしていることのひとつが、
眼の前の貴重な瞬間を切り取って、それをよりよい形で人に届けること。
お仕事という形で引き受ける以上、それはご依頼してくださる人の代わりに写真を撮るということなので、
求められているイメージや目的を最大限に汲み取りながら、少しだけ自分の感性を加えて、より良い物に仕上げることが大切だと思っています。
そしてその要望は、依頼をくださる方によって千差万別。
製品情報なのか、イメージなのか、はたまた、人生に1度しかない思い出なのか、青春をかけた挑戦なのか。
そんな事を考えていると、1枚に対してこれまで以上に深く考えるようになりました。
そこで出てくるのが、タイトルにもある視覚を超えるということです。
いわずもがな写真は、目で見るもの。
人間にある5感の1つである、視覚を通して情報が伝わります。
そしてこの視覚は人間にとって、情報を得るための手段として80%を占めるとも言われるほど大部分であり、残りは、聴覚、触覚、嗅覚、味覚です。
そして、考え事をしていて思ったのが、この残りの20%にアプローチできる1枚を狙って撮りに行けるようになろうと考えていたのです。
少し前置きが長くなりましたが、いろんな人の作品を見ていると、そんな写真は確かに存在するなと思うことがよくあります。
音が聞こえてくるような写真、手触りまで伝わる写真、味や匂いまで思わずイメージしてしまう写真などなど。
料理の分野では、しずる感と言う言葉で表現されることも多いですが、これは料理の分野に限った話ではないと思っています。
今の自分が目指すのは、1枚の写真から見た時の印象(視覚)を超えて、音や手触り、匂い、味が伝わってくるかどうか。
そしてそこをいかに狙って撮れるかが重要で、自分の任されている分野でどう表現するかが挑戦だと思っています。
特に写真の場合は人が見た時の1瞬が勝負。
動画のように尺があって時間が長いわけでも、音楽があるわけでもないのでこれが難しいところです。
幸いなことに、今は魚釣りに、ブライダルにスポーツと、ジャンルの異なる分野で撮影をさせていただいているので、
そこからそれぞれに共通すること、反対にそれぞれにしかないものを意識して撮っていくことで狙い所を明確にするためのヒントがあるのではと考えています。
特に今の自分の中では、音(聴覚)の聞こえる写真が何か大きな鍵を握っている、そんな感覚です。
そのためにも、日々いろんな刺激を受けて感性を磨いておくことがやはり重要ですね。
少し長くなりましたが、今回はそんな自分語りを綴った備忘録でした。
深く掘り下げると、どんどん長くなってしまうので、今回はこのあたりで。
また機会があれば、今回みたいに備忘録として書き残そうと思います。