そんな写真が撮れるようになりたいな、と考えていました。

写真として残された1枚には、その時間や思い出など、たくさんの記憶が集約されています。

飾っておいたり、ついついまた見たくなってしまうような写真には、ずっとその人に寄り添い、元気づけてくれるような力があると思うのです。

経年変化

これは革製品の特徴を表す際に使われる言葉のひとつです。

革は使い込むほど色やツヤが変化していきます。

そんな自分に馴染んでいくような変化が好きで、革製品をよく使っているのですが、

今回は使い続けて5年ほどになるバッグを久しぶりに手入れしました。

色があせたり、シワができたりしているものの、それが味なのです。

こうして自分だけの物になっていく革製品の変化って素敵ですよね。

そんな経年変化を、写真に置き換えたらどうなるのかな?

なんて考えていたら、表題のようなことを思いついたのでした。

もっと経験を積み重ねて行きたい

人は時間とともに変わっていきます。

仮に、今日に撮られた素敵な思い出の写真があったとしても、

1日後、1週間後、1年後、10年後には、その1枚の感じ方や捉え方が変わって行くはずです。

「また素敵な1日を過ごしたいな」、「あのときはこうだったな」、「懐かしい思い出だな」などなど。

さらに言えば、見るときの気持ちによっても変わるでしょう。

しかし、その写真自体は変わらず、被写体や構図などはそのままなのです。

1枚の写真が、ずっとその人のもとに残り続けて、毎日に影響を与えているとしたら、

それはカメラマンとしてこれ以上の幸せはないのではないか、とも思います。

写真という世界に踏み込んだからには、そんな1枚を求めたい。

その実感を味わえるような写真を目指して、撮影に励み、日々鍛錬を続けていきたいものですね。